2017年2月20日
定期借地権を設定したときに地主が賃借人から預かった保証金に対する経済的利益の課税について、このほど、国土交通省が平成28年分の適正な利率を公表しました。
 定期借地権の設定に伴って地主が賃借人から預かる保証金は、返還請求があるまで必ずしも銀行口座に保管しておく必要はなく、金融商品で運用したり、事業用資産の購入にあてたりしても良いことになっています。
 問題は無利息で預かっているため、運用利益に対して課税する必要があるということです。銀行口座に保管している場合や公社債などで運用している場合は、利子等に所得税が自動的に課税されるので問題はないのですが、事業所得や不動産所得を生むための資金として活用したり、自宅の改修など私的なことに使った場合は、その経済的利益に対する所得課税が困難です。
 そこで、政府は保証金に適正な利率を乗じた金額を経済的利益の額と定めて、それに所得税を課税することにしたのです。適正な利率は、10年長期国債の平均利率を準用することになっているわけですが、国土交通省は国税庁などと協議し、平成28年分の適正な利率を次のように決めています。
 ① 当該保証金が各種所得の基因となる業務に係る資金として運用されている場合又は当該業務の用に供する資産の取得資金に充てられている場合は「両建の経理の場合の適正な利率は、平均的な長期借入利率によるべきであるが、0.05%としても差し支えない」
 ② ①の場合以外で、かつ、当該保証金が、預貯金、公社債、指定金銭信託、貸付信託等の金融資産に運用されている場合以外のときは「利息に相当する金額を計算する場合の適正な利率は、平成28年中の定期預金の平均年利率(預入期間10年・1千万円以上)によることとし、平成28年分については、0.05%となる」。

Follow me!